多様な消防の仕事

消防の知られざる仕事紹介

  消防の仕事は、消火・救助・救急、火災予防というイメージが強いと思いますが、実は、これらの仕事以外にも市民の皆様にあまり知られていない仕事がたくさんあります。火災原因究明のための鑑定や消防車・救急車や無線機などの消防が活用する設備、装備などの更新整備、管制台のシステム設計整備などです。このような仕事には、大学や高等専門学校などで、化学、物理等理系科目を履修した職員や前職などで専門的知識を培った職員が、それぞれ配属されることがあり、職員たちは自らの能力を活かし、各仕事で活躍しています。
神戸市消防局では、多様な人材がそれぞれの仕事でやりがいをもって働いています。ここでは、みなさんに知られざる消防の仕事の一部をご紹介します。

消防科学研究所での各種鑑定

消防科学研究所では、火災原因の科学的究明を目的として、マイクロフォーカスX線透視装置、ガスクロマトグラフ質量分析計、デジタル顕微鏡、熱分析装置など、様々な試験装置及び分析機器を用いながら鑑定作業を実施しています。火災現場で採取された残渣物から油種を特定、電子顕微鏡による電気配線から火災につながる溶融痕の発見など、鑑定内容は多岐に渡ります。また、事業所から指定可燃物の該当の有無について依頼を受け、引火点測定、燃焼点測定などの試験も実施しています。

消防通信機器の保守業務

神戸市消防局では、専用の無線機を携帯し現場活動をします。この無線機は、一般的な携帯電話の通信網等と異なり、各消防本部が独自に構築した自営通信回線網を利用することで、各無線機器間の通信を可能としています。これらの通信機器は、24時間365日使用できなければならないため、機器の日常点検は欠かせないものです。迅速な現場活動を支援するため、これらの点検作業も非常に重要な業務となっています。

消防車両の点検整備

消防署では、始業時に各車両の点検を行っています。点検は灯火装置類の点灯状況から、オイル類に漏れがないか、ファンベルトの張り具合に異常はないか、タイヤのナットに緩みはないか、など内容は多岐に渡ります。必要があればピット内から車両底面の点検を行うこともあります。また、定期的に底面の清掃、点検を行うことにより未然に不具合を発見することもできます。安全に消防車両を運行するため、日々の車両の点検整備は欠かせない仕事です。

無人航空機（ドローン）による空中からの撮影

神戸市消防局では、大規模な土砂災害現場における周辺状況の把握や、火災発生時の火災拡大状況などの情報収集を行う目的で、無人航空機（ドローン）による空中からの撮影を行っています。
無人航空機は、静止画及び動画撮影のほか、赤外線機能により熱源の確認や助けを求めている人の捜索も可能です。無人航空機は本部特殊災害隊に配備されています。